木造軸組工法イメージ

木造軸組工法の豆知識

日本の自然を考える

日本は国土の7割近く、岐阜県は約8割が森林で覆われています。日本の山で育った木の住まいは、高温多湿の日本の気候風土に適しています。
桧などの国産材は巷間価格が高いと言われているようですが、決してそうではありません。単純には比較できませんが大きな違いはないのです。 日本の山では伐り出すのに大変な費用が掛かるので、多くは木材として活かされないままになっています。安い建築材を求めて輸入に頼っていると、いつまでたっても日本の山の木は活用されません。そのままでは死んでゆきます。もっと国産材の需要が高まり、山林事業に明るい展望が開けるようになれば、日本の山にも活気が戻ってくるでしょう。
人にやさしい木造住宅

人にやさしい木造住宅

木造住宅が身体に優しいのはよく知られていますが、それは家につくられた後でも木が生き続けているからです。生きている木は呼吸をしているので、室内の乾燥度合いにあわせて、水分を出したり吸い込んだり、湿度の調整をしてくれます。また、細胞が無数の空気粒を抱え込んでくれるので、天然の断熱材にもなっているのです。
木造在来工法には木の特質を生かした日本の匠の技が生きています。

自然素材

自然素材
柔らかな木肌、暖かな感触、桧チオールに癒される日々、家に居ながらにして森林浴。桧材に囲まれて暮らしていると香りも日常。初めての訪問客には、新築ですか?と聞かれることでしょう。何年たっても失せない桧の芳香。永く住まうほどに「木は生きている」を実感します。
輸入集成材について

輸入集成材について

集成材の多くは現地で加工され、大きな断面を持つ巨大な木の塊となって輸入されています。
現地の安い工賃ということもあって国産材と比較されがちですが、必ずしも現地の安さが反映されるとは限りません。実は様々な事情で集成材の方が高くつく場合もあります。

集成材は細かい木片を接着剤で固め貼り合わせてあるので、柱としての狂い(伸び縮み)がなく、縦の力には強いと言われています。しかし火や水にはもろく、吸湿能力がありません。また大量に使われている接着剤が気になります。技術が無くても施工は簡単で大量生産向きです。
狂いがない集成材は、ひと頃流行った高気密高断熱づくりに好都合です。
しかしそのぶん密閉された状態になるので、強制的に空気を動かさなければならず、エアコンの付けっぱなしなど、24時間強制排気の人工エネルギーが必要になります。

地域環境にあった家づくりを

地域環境にあった家づくりを
ご承知のように日本は細長い列島なので、気候環境は北と南、東と西では随分異なります。住まいづくりには、当然、地方ごとの地域環境に適した伝統的な工法があります。しかし戦後の経済復興後、家づくりが産業として経済活動の重要な部分を占めるようになると、工場大量生産プレハブ住宅が主流になり、地域性が無視されてしまいました。

「高気密高断熱工法」は、近年寒冷地で開発されたものです。これもまた産業の流れに乗って、北から徐々に南下してきました。サッシメーカーなども開発に巨費をかけて参入、各地で関心を持たれました。しかしそのような住宅には、強制換気の必要、集成材を使用しなければならないなどの制約等を必要とするものがあります。

基本的に、地域の気候環境に即した建築方法によって建てられたものが、もっとも快適な住宅になるはずです。歴史ある在来工法でも、機密性が高く、断熱性のある家づくりは難しいことではありませんし、なにも特別な手法を用いる必要はありません。もちろん建物の構造を詳しく知っていることが前提ですが、適切な断熱材の使用できちんとなすべきことをすれば、とても快適な木造住宅ができあがります。
これですと爽やかな季節には広く窓を開け、外の心地よい風を招き入れることも自在です。また在来工法の良いところは、架構式とも言われている様に、梁と柱の構造ですから、家庭環境の変化で改造をすることになった時でも、好きなように間取が変えられることでしょう。
無垢材使用の木造住宅は、自然の力(光と風)を最大限取り込める設計をして、きちんとした正しい施工をすれば、快適な住空間作りができます。在来工法は本来地震に強い工法なのですが、その仕組みや理論の伝承が疎かになって、欠陥住宅を生んでいる面もあります。知らないことの恐ろしさです。
正しい知識で良質を創る

適材適所…同じ木材でも

松について
松にはヤニが多く含まれるので、防虫効果があります(皮なし)。梁、桁など、構造材として主に使われます。ただ、松にはそれぞれ癖があり、それをうまく見分けて加工しないと、反りやねじれが生じることもあります。

杉について
杉は、柔らかく吸湿性が高いのが特徴です。化粧材などに良く使われます。特に寒冷地などに杉を柱として使用するところが多いようです。湿気に弱いので、床下などジメジメして、シロアリが心配されるような箇所には向きません。

桧について
桧は、強度、耐久性があり、湿気にも強く、また意外に思われるかもしれませんが、芯のある材は燃えると表面に炭化膜が形成され、燃え難くなるのです。柱には桧の芯もち材を使います。桧も使用場所によっては、反りやねじれが生じることがあるので、使い方には注意が必要です。

これらはあくまでも一般的な知識ということでご理解ください。厳密にはこれらが全ての場合に当てはまるというわけではありません。木材の使い方は地域によっても様々です。昔からその土地の風土に合った、知恵のある使い方がなされています。
単に「天然木を使えばいい家ができる」というものでもありません。正しい知識を備えた人たちによって適材適所に使われることで初めて、その良さが生きるのです。

シックハウスって?

ブンさんと現場で
かつて問題になったシックハウスですが、最近は建材等の研究開発が進んで、ほとんどのものが安全基準を満たしていますから、良質の物を選べば心配はありません。また住宅完成後、窓をしばらく開け放ち、換気を良くすることで、ホルムアルデヒド等の臭気は放出されます。多くは家具等との複合汚染でより被害が拡大しているようです。

山ブンは自然素材を使います。ホルムアルデヒドは積層材、集成材等の接着剤に含まれていることが多いのですが、無垢材であればその心配はありません。